第1巻 プロローグ
プロローグ
この街に、誰も気づかないまま老いていく建物がある。
昭和の熱狂の中で建てられ、平成に忘れられ、令和に限界を迎えようとしている。
壊れてから直す。予算がないから先送りする。その繰り返しの果てに、いま全国の自治体が猶予のない同じ課題に直面している。高度成長期に建てた建物は、同じ時代に限界を迎える。人口は減り、税収は細り、維持費だけが膨らみ続けている。
誰も悪人ではなかった——ただ、仕組みが追いついていなかっただけだ。
一人の管財担当者が、地下資料室で黒い冊子を見つけた。
表紙に何も書いていない。開くと、この街の数字が並んでいた。
長谷が何かを変えるたびに——その数字が変わる。
この話のFM豆知識
(豆知識は準備中)
つづく
※本作はフィクションです。登場する人物・団体・自治体等はすべて架空であり、実在するものとは関係ありません。作中の制度・法令に関する記述は一般的な説明であり、最新情報は関係省庁にご確認ください。詳しい注記はこちら
一般財団法人 建築保全センター