第2巻 プロローグ
プロローグ
結論だけが記録され、理由が残されていない書類がある。
理由は、しばらく人の記憶が補ってくれる。だが、異動や退職のたび、その理由を知る人は少しずついなくなる。
正しい判断であっても、その理由が書かれていなければ、次の担当者は同じ検討をゼロからやり直すことになる。
誰も怠けていたわけではない。理由を残す仕組みが、まだなかっただけだ。
折原が記録を掘り起こすたびに――消えかけていた理由が、一つずつ形を取り戻していく。
古いファイルを開くたび、折原は同じ言葉を口にする。
「残ってます」
この話のFM豆知識
(豆知識は準備中)
つづく
※本作はフィクションです。登場する人物・団体・自治体等はすべて架空であり、実在するものとは関係ありません。作中の制度・法令に関する記述は一般的な説明であり、最新情報は関係省庁にご確認ください。詳しい注記はこちら
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