建築物内の給水管更生技術「New-Tube-Ⅲ(NT-Ⅲ)工法」
技術概要
既存の建築物に施工された枝管(集合住宅の場合は専有部)の水道用硬質塩化ビニルライング鋼管製給水管の管内面の錆こぶ及び付着物を、高圧高速気流中に研磨材を投入し、2方向研磨により除去する。その後、常温硬化無溶剤型二液性エポキシ樹脂塗料と弾球を投入し、弾球による圧延を2回繰り返して塗布し、一系統内での管端防食コアの有無にかかわらず、管内面に塗り残しやピンホールのない強固な防錆塗膜を確実に形成する「New‐Tube-Ⅲ工法」(略称NT-Ⅲ工法)という技術。
諸元性能
1)適用管種 | 水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管(記号:SGP-V) (管端防食コア付き配管を含む) |
2)適用管経 | 15A~25A |
3)適用除外範囲 | (1)可動部分を有する機器・弁及び可とう継手。 (2)水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管用継手の内、水道用ねじ込み式管端防食継手(防食コア 内蔵型)は除く。 (3)水道法に規定する給水装置(直結)であって、本工法の施工を水道事業者が認可しない場合。 (4)地中・水中に布設されている配管及び外面が腐食している配管。 (5)本工法塗布(ライニング)適用除外温度条件。 外気温度 0℃~35℃の範囲外 配管表面温度 30℃± 3℃の範囲外 (6)その他本工法の適用が困難な配管など。 |
4)施工実施地域 | 日本全国 |
工程
本工法は次に示す工程に従い施工する。各工程の内容の概要は次の通りである。
(1) 調査・診断 | 本工法による施工の可否を判定するため、調査・診断を行う。 |
(2) 準備工程 | 本工法の着工前に準備すべき事項を実施する。 |
(3) 乾燥工程 | 配管内の水分を除去し、「錆こぶ」の乾燥を行う。 |
(4) 研磨工程 | 管内面の「錆こぶ」を高圧高速気流中に投入した研磨材により除去する。 |
(5) 塗布(ライニング)工程 | 弾球による圧延を2回繰り返して塗布し管内面に塗膜を形成させる。乾燥後塗膜品質確認検査を行う。 |
(6) 復旧・通水工程 | 施工に伴い取り外した器具や切断した箇所の復旧を行い、通水し漏水の有無を確認する。通水後仮水質検査行い、かつ公的機関による水質検査の合格後正式に給水する。 |
(7) 検査 | 本工法の検査は施工検査と完成検査からなる。 施工検査は施工前、施工中、工事終了後に検査技術者が行う。完成検査は発注者の立会いのもとで行う。 |
(8) 引渡し | 発注者の完成検査合格後、必要書類を添付し引き渡しを行う。 |