編集・発行/一般財団法人建築保全センター
監修/国土交通省大臣官房官庁営繕部
時代は「持続可能な社会の発展」を求めています。新築のみならず既存ストックを含めた建築物の有効利用が望まれるなかで、建築物の長寿命化や省エネルギー化の適切な推進が求められ、建築物のライフサイクルコストはそのための重要な評価指標のひとつとなっています。
本書は、建築物のライフサイクルコスト(LCC)についての基礎知識、算定方法、部材データベース等を集成した手引書です。
平成5年の初版刊行以来、我が国におけるLCCの普及に大きく貢献し、基礎資料として活用されてきました。
平成31年の改訂版から4年以上経過し、その後の急速に変化する社会・経済情勢に対応したデータ等の更新が必要との声が数多く寄せられていました。こうした要望に応えるため、令和3年度から、当財団に「建築物のライフサイクルコスト」改訂検討委員会(委員長:小松幸夫早稲田大学名誉教授)並びに改訂検討作業部会を設置し検討を進め、令和5年版を刊行したもので5編と付録資料から構成しています。
今回の改訂に際しては、以下の4つのポイントがあげられます。
(1)一層の体系化
国際化への対応として、2017年に改訂されたISO 15686-5 「 Life cycle costing 」の考え方に従って、 LCC 項目の一部見直しを行いました。また、新築コストについて、モデル建物の実績値から算出していたものを、部材データベースの建設単価から算出する方法に改め、修繕等コストとの一貫性を持たせました。(2)実践的な図書へ
モデル建物について、新たに小規模鉄骨造の地区センターを加えるなど追加、更新し、全部で9タイプに拡充しました。また、「第4編(応用編)」を新設し、ライフサイクルコスト算出後に 中長期修繕計画を作成するための手順を詳細に記述しました。(3)新しい時代に即した部材データベース
単価等の更新を行うことはもちろんのこと、木造建物に多用される部材やLED照明等の普及状況を踏まえた部材の追加や、修繕項目、更新周期等の見直しを行っています。(4)使いやすさの向上
付録のLCC 計算プログラムでは、ユーザ部材として使用できるコードを増加し、より自由度の高いユーザ部材の活用が可能となりました。また、1ライセンスで5人までがデータを共有し利用できるよう利便性を高めました。今後、ますます大規模な修繕等を要する建築物が増大する時期を迎えるに当たり、建築物のライフサイクルコストを考慮し、維持管理、長寿命化、更新等を戦略的に進めることが一層重要となっています。
本書がこれまで以上に広く活用され、我が国の良質な建築資産の形成に寄与することを期待する次第です。
A4判・462頁 定価・22,000円(税込) 発行・令和5年10月
目次
第1編(基礎編) | 1. ライフサイクルコスト(LCC)の重要性 2. LCCの範囲 3. 用語の定義 4. LCCの算出 5. LCCの活用 |
第2編(実践編) | 1. 概要 2. 床面積入力法によるモデル建物の LCC の算出 3. 部材 入力法に よる 修繕等コストの算出 4. 併用法による修繕等コストの算出 |
第3編(解説編) | 1. モデル建物 2. 修繕等コスト算出 のための基礎事項 3. 修繕等コスト算出に必要なデータベース 4. 修繕等コスト以外 のLCCデータベース |
第4編(応用編) | 1. 中長期修繕計画の概要 2. 異なる部材への更新の対応 |
第5編(資料編) | 1. モデル建物の諸元 2. モデル建物の部材数量 3. モデル建物のLCC 4. 部材データベース一覧表 5. 参考文献 |
付録資料 | LCC計算プログラム操作マニュアル |
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