排水管更生技術「P・C・Gマルチライナー工法」(FRPライニング)

適用範囲

1.対象部位
 建築物内の既設排水管を対象とし、事前の調査・診断によりP・C・Gマルチライナー工法(FRPライニング)による施工が可能であると判断される部位とする。
2.対象管種
 本工法の管種及び呼び径は、次のとおりとする。
  ・配管用炭素鋼鋼管(SGP)  40A~200A
  ・排水用鋳鉄管(CIP)    40A~200A
  ・鉛管(LP)         40A~200A
3.適用除外範囲
 本工法の適用除外範囲は、次のとおりとする。
 (1) 横引枝管を切断するに当たり、管径別に数値の条件を満たさない場合
 (2) 立て管の最上部と最下部において、切断が出来ない場合及び1スパンが30m以上の対象配管で、途中階における切断が不可能な場合
 (3) 対象配管の1スパン内に90°エルボが2箇所以上存在する場合
 (4) 対象配管の管内に突起物が存在する場合
 (5) 施工管温度が、5℃未満の場合
4.施工実施地域
 日本国内全域

審査証明結果

 本技術について、開発の趣旨及び開発目標に照らして審査した結果は、以下のとおりである。
(1) 事前作業における錆・付着物の除去については、高圧水による洗浄後、タービンカッターによる作業を行なうため、下地処理として十分と認められ、ライニング層の付着を向上させるものと判断される。
(2) ガラスクロスチューブにライニング材を含浸させる際、ローラーにより十分なエア抜きが行なわれた後、低圧・低速による反転を行なうため、既設管とライニング層の空気を排出することにより空気層を作ることがない。また、加圧されたポリエチレンチューブにより異径継手部においても塗膜が付着し、管の閉塞もなく所定の膜厚が形成されるものと判断される。
(3) 分岐部においては、主管塗膜の開孔(穿孔)後、手作業によるガラスクロスの貼り付け、或いはガラスフレーク混入のエポキシ樹脂を塗布することとし、十分な処置がされるものと判断される。
(4) 管の開孔部(腐食孔、亀裂部等)に塗膜を形成させた管に対して、水を注入した加圧試験を行ない強度を確認しており、通常使用に耐え得るものと判断される。
(5) 塗膜が形成された管に対し、研磨によるブラスト及び高圧洗浄機による高圧水の噴射を行ない、剥離・破損等の異常がないことを確認しており、十分な耐久性があるものと判断される。
(6) 形成された防錆塗膜の水質への影響についても、浸出試験データなどにより所定の基準を満足するものと判断される。